「鍛え抜かれた美しさというものを持ち合わせていなくてはならない。色々な人間関係に磨きをかけられた為に本当の良いものを学んでいったものの持つ美しさである。高価なハイヒールを履ける足を持ちながら、あえて裸足でいることの出来るそんな能力を持った女だけが男の親友になりえるのである」
始めから「ただただ好き」なんて許さない。向かい合った机の上に、いくつもいくつも理由を並べ、うなずく私に何度も何度も説明し、同意を求め、だけど偶然、机の下で足が触れて、その瞬間、机の上のものを全てどけて手を伸ばし、同意も求めず「ただただ好き」と。そうでなければ許さない。
「人を殺すには在日ってだけじゃ足りねえんだ。あと四つか五つぐらいのハンデをしょってないと俺には人を殺せないよ。俺はこの国で生まれて、何不自由なく育ってるんだぜ?」
金城一紀『レボリューションNO.3』
「わたしは、芸術というものは芸術だけの中にぬくぬくとしていては衰えて死んでしまう、と考えるものであり、この点でわたしは、世間のいうような芸術至上主義者ではない。芸術はつねに芸術外のものにおびやかされ鼓舞されていなければ、たちまち枯渇してしまうのだ。」 三島由紀夫/『葉隠入門』