⚫︎三島由紀夫

「わたしは、芸術というものは芸術だけの中にぬくぬくとしていては衰えて死んでしまう、と考えるものであり、この点でわたしは、世間のいうような芸術至上主義者ではない。芸術はつねに芸術外のものにおびやかされ鼓舞されていなければ、たちまち枯渇してしまうのだ。」


⚫︎金城一紀

「俺が国籍を変えないのは、これ以上、国なんてものに新しく組み込まれたり、取り込まれたり、締めつけられたりされるのが嫌だからだ。もうこれ以上、大きなものに帰属してる、なんて感覚を抱えながら生きていくのは、まっぴらごめんなんだよ。たとえ、それが県人会みたいなもんでもな」 

「でもな、もしキム・ベイシンガーが俺に向かって、ねえお願い、国籍を変えて、なんて頼んだら、俺はいますぐにでも変更の申請に行くよ。俺にとって、国籍なんてそんなもんなんだ。矛盾してると思うか?」 


⚫︎山田詠美

「鍛え抜かれた美しさというものを持ち合わせていなくてはならない。色々な人間関係に磨きをかけられた為に本当の良いものを学んでいったものの持つ美しさである。高価なハイヒールを履ける足を持ちながら、あえて裸足でいることの出来るそんな能力を持った女だけが男の親友になりえるのである」



⚫︎ジョン・カサヴェテス

「この国では人は21歳で死ぬ。21歳で感情が死んでしまうんだ。今はもっと若いかもしれない。幸いにも僕らは20歳で死なずにすんで、そのまま生き続けている。僕のアーティストとしての使命は、人々が21歳を乗り越えるのを手助けすることだよ」


「おかしなことに、僕は結婚の制度にはずっと反対だったんだ。ずいぶん長い間ジーナと結婚し続けてるけどね……。でも納得できない結婚も多い。偽りがあったり、精神や個人の尊重が欠けてるように思えるからね」


「 私は煙草を習慣で吸ってるんだ。習慣はその人の人生そのものだと思う。私にとっては命よりも大切なものだ。でも別に自己破壊衝動で吸ってるわけじゃない。煙草を吸って自殺しようとしてるわけじゃないんだ。口に煙草をくわえてた方が調子がいいんでね」



⚫︎百済観音


書くと言う手段に対する、「単に他の事より書くほうが得意だから」というシンプルな理由を超える、文章でなくては出来ないという必然性(あるいは言葉そのものへの必然性)と、書く内容に対する書き手の内的必然性が感じられないものは好きじゃない。映画も同じ。



⚫︎金城一紀

もし、今この瞬間に本物の勇気を感じてたら、別に戦わなくたって良いんだぞ。



⚫︎三島由紀夫

「僕の思念、僕の思想、そんなものはありえないんだ。言葉によって表現されたものは、もうすでに、厳密には僕のものぢゃない。僕はその瞬間に、他人とその思想を共有しているんだからね」 
「では、表現以前の君だけが君のものだというわけだね」 
「それが堕落した世間で言う例の個性というやつだ。ここまで言えばわかるだろう。つまり個性というものは決して存在しないんだ」

 
 ⚫︎小林秀雄

見ることは喋ることではない。言葉は眼の邪魔になるものです。


⚫︎稲垣足穂

芸術家は先ず普通人とことなっていなければならぬ、とトーマス・マンが云っている。そうして芸術とは何かと云えば、この何処か常人と異なっている者が、常人に成ろうとして絶えざる戦いを続ける所に生まれるものだと。


⚫︎川端康成

文學志望者は文學者らしくなるよりも、先づ誠實に強烈に生活すべきである。

⚫︎坂口安吾

先程も述べたやうに、徒党といふもの排他的になり、自我の自覚や内省を殺し、青年の純真さも批判力も失はせ易いものだからです。


⚫︎寺山修司

海岸で生まれ、海と共に育った私が、現実の海にはさほど興味を持たずに「海」という言葉、海を主題としたさまざまの観念、詩、音楽にのみ心を奪われたのは、世界には「もう一つの海」があることを予感していたからにほかならないだろう。


⚫︎吉本隆明

どこへいってもこの世は明るい地獄だということを熟知しているから。




⚫︎山口

始めから「ただただ好き」なんて許さない。向かい合った机の上に、いくつもいくつも理由を並べ、うなずく私に何度も何度も説明し、同意を求め、だけど偶然、机の下で足が触れて、その瞬間、机の上のものを全てどけて手を伸ばし、同意も求めず「ただただ好き」と。そうでなければ許さない。



慰めたり、励ましたり、本当に苦手。背中を押すには覚悟がいる、押し出した瞬間に、手から離れた瞬間に、あなたがよろけたとしても、私は必ず、あなたの腕を掴む、という覚悟が。


「君のためなら死んでもいい」それは女の子を甘えさせてくれる言葉だ。だけどガール、そんな言葉は信じるな「貴女を残して絶対に死ねない」と言ってくれる男を、貴女を感じて生きてくれる男を、その言葉を信じて、その言葉に決して甘えず、彼が愛してくれる貴女を、しっかり生きなさい。


感心した、私に誓わないところに感動した。だから信じた、当然のように。それは私が、自分自身を疑わないことと全く同じであって。こんなことを出来てしまう人がいるのだと、それはそれはもう。


貴方という要素を多く含んだ自分自身を愛するなんて、とても不健康だわ。だけど、貴方もきっと同じ、私という要素を多く含んだ貴方自身を愛している、何も見えていない、自分以外は何も、そして同じであるという理由でまた愛していると思うのよ。


名前を呼ぶ以外の方法で、離れたところにいる私に気づかせて欲しい。


混乱の中で呼んだ名前だけを信じる。


基本的に恋愛は互いの精神を舞台に繰り広げられる陣取り合戦、戦争だと思っている。当然、油断しようものなら死ぬ。


好きだとあまり相手のことを知りたいと思わない。もちろん話してくれるならきちんと聞くけど。「貴方はここに存在している」という奇跡的な肯定を決めるので、知る必要すらなくなる。


一人でも立ち向かっていく、その強さに美は宿る、その強さだけが「美しい」という称賛に値する、真理だ。


私はね、付け焼刃だろうが、何だろうが、たとえ負けるとわかっていても、刀を抜いて向かっていく人間でありたいと思うんだよ。


常に選択を迫られているのである。このまま永遠に、脚を鎖に繋がれ、不自由を嘆き生きるのか、今ここで、脚を切り落とし、不自由を得て自由を生きるのか、私は信じている、脚を切り落としたその先で、大きな絶望の中で、背中を切り裂き、翼が生まれることを。


私の王子様は、私が「王子様を待っているの」と言ったら「じゃあ、王子様が迎えに来るまで、僕が貴女を守ります」と、そう言ってくれる人なの。





⚫︎加藤愛梨

周りがよく見えてて、浮気しなくて、素直でまっすぐで口に出すことが100%信用できて、一緒にいて安心できて、スポーツやってる人で、あたしのわがままを聞いてくれて、考え方はしっかりしてて自我が強くて、でも押し付けたりはしなくて、人の話もちゃんと聞いてくれて、そこまで否定はしないで受け入れてくれて、やるときはやるけど基本楽観主義で適当で、彼女いても依存しすぎないで自分の時間も大切にしてて、やるべきことは頑張ってて、でも要領は適度によくて、友達/家族思いで、少年っぽくて、甘えさせてくれて甘えてくれて、母性本能をくすぐる部分を持ってる人。



⚫︎しいたけ

思うところは、心に秘めていたい。
そう思うのに、秘めていれば、消えていくんです。
なくなってるんです、気付いたら。
だけど、言葉にすると、嘘になっちゃう。 

    
⚫︎江崎聖桜

剣を相手に与え、喉元を晒す

それが私の勝利よ



自由に生きて

不自由と手を繋いで



「木を切り倒そうという時 私はその木について全てを知らなければならないと思う」


⚫︎ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

口真似して言われた真理はもう魅力を失っている。 

ほんとにたくさんの矛盾のうなっているところを私は何よりも好んでさすらう。 

過去は常住にあり、 
未来はあらかじめ生き、 
瞬間は永遠となる。 

美は、隠れた自然の法の現れである。 

われわれが神と自然から受けた最高のものは生命であり、休息も静止も知らない単子(モナス)の自転回転運動である。 

不可能であるがゆえにこそ、信ずるに値する。 



⚫︎イングランドの誤審をした審判

「審判が完璧に裁けるようなテクノロジーみたいな存在なら、それはサッカーにおいて不公平な状態だ。」



⚫︎美輪明宏

悔しかったら、力を抜いて美しい行動をとってごらんなさい。




⚫︎村上春樹「ノルウェイの森」


きみは時として僕でさえ感動してしまいそうなくらい優しく、それと同時におそろしく意地がわるかった。びっくりするほど高貴な精神を持ち合わせていると同時に、どうしようもない俗物だった。楽天的にどんどん前に進んで行きながら、その心は孤独に陰欝な泥沼の底でのたうっていた。 
僕はそういうきみの背反性を最初からはっきりと感じとっていたし、他の人々にどうしてそういうきみの面が見えないのかさっぱり理解できなかった。この人はこの人なりの地獄を抱えて生きている。 

しかし原則的には僕はきみに対して好意を抱いている。 
きみの最大の美徳は正直さだった。きみは決して嘘をつかなかったし、自分のあやまちや欠点はいつもきちんと認めた。自分にとって都合のわるいことを隠したりもしなかった。 

そして僕に対してはきみはいつも変わらなかった。



⚫︎百済観音


真夜中に、黒々とした闇の中で、ひとつ小さな蝋燭を灯して、眠っている羊の番をしている。 
どこまで続いているのかわからない羊の群れの奥の方で、ときどき羊が寝ぼけて鼻を鳴らすのが聞こえる。全ての羊が黒く染まる新月の夜、一体どこまでが黒くこんもりとした羊の群れで、どこからが鬱蒼とした森の始まりなのかも分からない。それでも起きて不確かな暗闇を見守っている必要があるのだ。 

蝋燭の火がゆれて、彼の髪の間から漏れる光の加減が変わる。けれどこちらからは表情が見えない。ところで、どうして彼は羊の番をしなくてはいけないのか? 

それは誰にも分からない。だけどどうしてもそういうことが必要なのだ。 

真夜中の不安を越えて、朝方の昏睡を経たあとには、蝋燭も彼もすっかり姿を消して、羊は眠りを忘れて白くふんわりし、金色の太陽の匂いを吸い込んで、群れ集って草を食み、森は森として、草原は草原として、朝露は朝露として、全てが明晰な輪郭を持つ。 

何も知らない羊飼いの青年が、明るい朝食を胃袋につめてやってきて、羊を散歩させるために角笛を吹く。みんな君のことなんか知らないみたいだ。 
沢山の羊が、ぞろぞろと羊特有の不器用な歩き方で歩き出すのを見守る。ふと、その中に山羊のような不思議な瞳を見たような気がした。 
いやいや、これは羊の群れだ。なにしろ山羊は羊みたいに遊牧することは出来ないのだから。 
山羊の瞳?でももうみんな背中を向けていてわからない。 
でも今、山羊がいたよ。それか、羊じゃない動物が。




⚫︎横山詩歩

暗示性が具体的な形を取るまで待てばいいと思うんだけど、何かを無理に変えるのではなくて、ただ公平に物事の流れを見ていけばいいと思うんだけど、言うのは易しいけれど忙しいわたしたちには難しいね。



⚫︎ジョルジュ・バタイユ「エロティシズム」

裸にするということは、これが完全な意味を持っている緒文明のなかで見てみると、死なせる行為の相似物とは言わないまでも、死なせる危険性をともわないこの行為の等価物なのである。


⚫︎澁澤龍彦

森茉莉さんのような根っからのフランコフィルは、珈琲店と書いて、わざわざ「キャフェ」とルビをふり、檸檬と書いてわざわざ「レモン」とルビをふる。しかも彼女の文章は美しい立派な日本語以外の何物でもない。


⚫︎如意輪観音

「Oui.は多くのNonによって構成されている。オノヨーコが言った漫然としたYesなんかじゃない」


⚫︎宇多田ヒカル 『嘘みたいなI Love You』

言葉に全部は託せなくても
声に出せば少しは必ず伝わるはず


⚫︎フリードリヒ・ニーチェ

わたしはもろもろの理論と論戦はしない。ただそれらに出会うと手袋をはめるだけだ。 

嵐をもたらすものは、もっとも静寂な言葉だ。鳩の足で歩んでくる思想が、世界を左右するのだ。 

時は秋だ、澄んだ空、そして午後 

弟子たちよ、わたしはこれから独りとなって行く。君たちも今は去るがよい、しかもおのおのが独りとなって。そのことをわたしは望むのだ。 

認識の徒は、おのれの敵を愛することができるばかりか、おのれの友を憎むことができなくてはならぬ。 

そして君たちのすべてがわたしを否定することができたとき、わたしは君たちのもとに帰ってこよう。 

本質的に健康な人間にとっては、逆に、病気であることが、生きること、より多量に生きることへの強力な刺激にさえなりうるのである。 

要するに、彼に死をもたらすものでないかぎり、彼を強化するのである。 

わたしは二重存在者だ。 

「よいヨーロッパ人」になることは、わたしにはなんの苦労もいらないことだ。 

そして準備をしないでいるときこそ、もっとも自由に自分の能力を発揮できる。 

わたし流の報復といえば、他者から愚かしい仕打ちを受けたら、できるだけ急いで賢さをこちらから送り届けるということである。 

わたしはわたしの本性上戦闘的である。攻撃することはわたしの本能の一つである。 

攻撃することは、わたしにおいては、好意の表示であり、場合によっては、感謝の表示である。 

それらに味方してか、敵対してか-は、わたしには同じことだ。 

わたしは行為が不利な結果に終っても、それは結果であって行為そのものではないのだから、原則として、それを価値の観点から考えることをやめる立場を採るだろう。 

無神論はわたしの場合、本能的に自明なことである。 

神とは、われわれ思索する人間にとっては、大づかみな答えであり、まずい料理である。それどころか、根本においては、われわれに向けられた大づかみな禁止令であるにすぎない。

 
⚫︎宇多田ヒカル/Anither Chance

こんなにnaturalな感覚が
間違ってるわけないのに


⚫︎ジョルジュ・バタイユ/エロティシズム

あなたが死につつある場合でも、死につつあるのは私ではないのだ。私たち、すなわちあなたと私は、不連続な存在なのだ。


⚫︎村上龍『すべての男は消耗品であるvol.1』

そもそもオレは文体なんか気にしたことがない。 

他者というのは、基本的に理解し合えない者を指す。 

天才には努力の跡がない。


⚫︎横山詩歩

一つの違いも許さない。すれ違いや勘違いも許さない。そんな、不都合で、理不尽で、私はあなたがいなくては生きていけなくて、あなたは私がいなくては生きていけない、そんな愛。そんな愛。 




⚫︎村上春樹/ダンス・ダンス・ダンス 下巻 6頁

でもそれとは別に我々は時々あった方がいいんじゃないかと思う。お互いの為に。僕らは歳がずいぶん違うし生活環境も考え方も生き方もずいぶん違うかもしれないけれど、それでも二人でいろんなことを話し合えそうな気がする。そう思わない? 

会いたくなったら君の方から電話してくれればいい。人と人とが義務的に会うことなんて何もないんだ。会いたくなれば会えばいいんだ。僕らはお互いに誰にも言ってないことを打ち明けあって、秘密を共有している。そうだろう?違う? 

そういうのは放っておくと体の中でどんどん膨らんでくることがある。抑えがきかなくなる時があるんだ。時々空気抜きをしないと、爆発しちゃう。 
何かを一人で抱え込むといいのは辛いことなんだ。 
誰にも言えないし、誰もわかってくれない。でも僕らはお互いにそれがわかりあえる。正直に話しあえる。 

僕は君に対して何も強要しない。 
これは君のお父さんの話とは何の関係もない。あるいは僕が君に対してものわかりの良いお兄さんなりおじさんなりの役を努めようと思っているわけでもない。僕らはある意味では対等なんだ。我々は助け合えると思う。


⚫︎民法

権利の上に眠る者は保護に値しない

権利の上に安住する者は保護に値しない


⚫︎美輪明宏/愛の話幸福の話

お月さまでは、うさぎが餅をついています。「あれは単なるクレーターだ」などという中途半端な科学者の言葉に耳を貸してはいけません。


⚫︎三島由紀夫/太陽と鉄

「武」とは花と散ることであり、「文」とは不朽の花を育てることだ(…)不朽の花とはすなわち造化である。


⚫︎宇多田ヒカル

生意気そうと思われる第一印象
気にしないで 
そう最高の防御は 
時に攻撃だと言うでしょ


⚫︎横山詩歩

I know what you going through and I know I ain't the one to comfort you but I do, 'cause I need to,too. 


⚫︎TP(tpimtsym)

うむ。ラーメン食いたい。いつも、あなたの文章はぜひ中高生に読ませたいと思う。これはテーマや文体が「幼稚」とかそういう次元じゃないので悪しからず。言い方難しいけど、大人だと読み手として汚れすぎてる気がするのかな。あなたほどピュアな大人を他に最近見ない。


⚫︎屋守三郎

なんでもいいから、「やること決めたらそれだけひたすら結果でるまでやってれば、勝手に実績と金はついてくる」ってのがプロの常識。それ以外やらずにやってりゃいいだけ。みんなそれができないからね。遊びたいし、寝たいし、女抱きたいし、恋愛したいし、それじゃ下積み時代は成功しないよ

⚫︎金城一紀

「人はみんな死んじゃうでしょ?だから、会わなくなった人は死んじゃうのとおんなじなのよ。たとえ思い出の中で生きていてもね、いつの間にか死んじゃってるのよ」
金城一紀/恋愛小説/対話篇


「人を殺すには在日ってだけじゃ足りねえんだ。あと四つか五つぐらいのハンデをしょってないと俺には人を殺せないよ。俺はこの国で生まれて、何不自由なく育ってるんだぜ?」

金城一紀『レボリューションNO.3』


⚫︎シオラン

煙草のことでは、ドストエフスキーが述べた話がいつも思い出されます。シベリアに十七年の刑で流されていたアナーキストがいた。ある日煙草の支給がとめられる。するとたちまち彼は帝政にひれ伏して思想も何もかも捨てると転向宣言をしてしまう。若い頃これを読んだときは意味がわかりませんでした。



⚫︎fou〔英訳〕

Thrust my dagger upon thy hand and still I would reveal my neck for thee. That shall be my victory.
真剣を相手に与え喉元を晒す.それが私の勝利.

「わたしは、芸術というものは芸術だけの中にぬくぬくとしていては衰えて死んでしまう、と考えるものであり、この点でわたしは、世間のいうような芸術至上主義者ではない。芸術はつねに芸術外のものにおびやかされ鼓舞されていなければ、たちまち枯渇してしまうのだ。」  三島由紀夫/『葉隠入門』